マスタリング作業の流れ

一般的なマスタリング作業の流れは、以下の順に進められます。

Ⅰ TDマスター(ティーディーマスター)の再生準備
Ⅱ 音作り
Ⅲ 確認(チェック)
Ⅳ 録り込み
Ⅴ 曲間決め、PQ(ピーキュー)打ち
Ⅵ 通し聞き ※希望の方のみ
Ⅶ マスター・リファレンスCD-R(コピーCD)の作成
Ⅷ 検聴

それでは各項目を細かく説明します。

Ⅰ TDマスターの再生準備
まず持ち込まれた素材を準備します。
マスタリング済みの素材や、製品CDをマスターとして使用する場合、エンジニアによってリッピングの場合と、リアルタイムで録り込む場合などと違いがあります。
この時点で事前に頂いているレーベルコピーを確認しながら曲順通りに並べたり、素材が間違っていないかをチェックします。
※これらの作業は前日までに素材を搬入されている場合、スタートまでに準備が出来ます。

Ⅱ 音作り
再生する準備が整ったら、TDマスターを再生しながらエンジニア が音作りをしていきます。
アナログやデジタルのEQ(イーキュー)やコンプを使い音圧や広がり、奥行きを出したり、迫力があ
りバランスの良いサウンドにしていきます。
基本的にその楽曲にあったマスタリングを行いますので、必ずしもEQ(イーキュー)をかけたりするとは限りません。もともといいものは何もしなくてもいいからです。従って、ミックスの仕上がりや楽曲により、1時間かかるものもあれば15分ほどで終わってしまう事もあります。
複数の曲を一枚の作品として聞きやすく統一するために、レベル差などがないように音量のバランス、各曲の音質を調整して、曲により毎回違った処理を施す事になります。

Ⅲ 確認(チェック)
音作りが出来たものをアーティストやディレクター、レコーディングエンジニアの方々に確認して頂きます。
こちらも作業内容(シングル・アルバム・DVD)やスケジュールの状況、エンジニアによって多少違いはありますが、基本的には1曲ずつチェックになります。
この時に要望があれば、その場で修正します。

Ⅳ 録り込み
確認をして頂き、OKが出たらマスタリングソフトに録り込みます。
その際に、エンジニアがノイズやエラーが無いか等のチェックを行います。
ノイズがあった場合、それはマスタリングをした事によるノイズなのか、もともとTDマスターにあったノイズなのかを聞き比べてチェックをします。マスタリングで出来てしまったノイズの場合は、修正します。
OKであれば曲頭と終わりのフェード処理をします。

※曲数分Ⅱ→Ⅲ→Ⅳを繰り返します。

Ⅴ 曲間決め、PQ(ピーキュー)打ち
曲間は文字通り、曲と曲の間隔を決めます。
曲によっては、全く空けない物 (曲間0秒)、前の曲が終わる前から次の曲が始まる物 (クロスフェード)、ボーナストラックのようにかなり空ける物など、こちらも内容によって様々です。
1曲目終わり~2曲目始めという感じで実際に聞きながら順に決めていきます。
PQ(ピーキュー)打ちとは、簡単に言えば曲の始まりと終わりのポイントを決める作業です。主にNon-stop(ノンストップ)など曲が繋がっている場合のトラックのポイントを決める作業の事を、PQ打ちと呼びます。
この作業は完全お任せでない限り、極力立ち会うようにする。

Ⅵ 通し聞き ※希望の方のみ
これは1曲目~最後まで音、曲間、全体の確認を含め通して聞いて頂きます。
やはり通して聞くとなると実時間(アルバムで長いものであれば70分位)がかかり、その分、料金が増してしまいます。

Ⅶ マスター・リファレンスCD-R(COPY CD)の作成
ISRCとPOSコードを入力し、プレス工場納品用製品マスターを仕上げます。
その他に必要な配信用やTV用、PV用、COPY CD(コピーシーディー)も作成していきます。
COPY CDはまずMOTHER COPY(マザーコピー)を作成し、そのMOTHER COPYをご希望枚数、複製致します。製品マスターのDVD-Rについてはメディア自体にエラーが無いか、専用のチェッカーにかけ、チェックを行います。

Ⅷ 検聴
メディアのエラーが無ければ、最後にエンジニアが頭から最後まで通して検聴します。
検聴しながらエラーとなるノイズが無いかどうかを確認し、また、ノイズがある部分を細かく記していきます。これは聴感上、問題のないノイズですが、プレス工場でも行われる検聴を円滑に進めるためです。このノイズを記したテクニカルシートを製品マスターに同封します。

この検聴で問題なければこれでマスターは出来上がりです。

また、SUB MASTER(サブマスター)等『MASTER』とつくものは、全て検聴を行う様にしています。その為、製品マスター以外にSUB MASTER等が必要な場合はその分検聴の時間を要します。時間と料金が発生してしまうため、Sub Masterと言っても保管用などの目的で作成したい場合などは、その旨を伝える。検聴は省き、臨機応変に対応できます。

以上でマスタリングの作業は終わり、DVDに焼かれたDDPファイルをAMI商品管理へ納品します。(詳しくはgaiaのマスタリングマスター運用フローを参照ください)

大手レコードメーカーにマスタリングスタジオがある場合、外部スタジオで作業を行ったものも、自社のマスタリングスタジオで再度、検聴を行います。ディレクターが立会い、チェックシートを元に、ノイズが乗っていないか、このノイズは問題ないのか、曲に間違いがないか等を、マスタリングエンジニアとともに確認します。

弊社は上記のような、自社マスタリングスタジオで、再度検聴を行うシステムがありません。
よってディレクターは必ずマスタリングに立ち会うべきです。商品事故などのリスクを回避すること、ディレクター自身が責任を負うという責務があるからです。
また、出来上がった製品マスターを『バイク便で送る』や、『デスクの上に置いておいてください』はあまりにもマスターを安易に考えすぎています。HDD同様、その目の前のDVDやCDは数百円から数万円の物かもしれません。ですがその中には、皆さんが聞いて欲しいと一生懸命作った音源のマスターがそこにあるのです。制作費に大きい、小さいがありますが、そこには何ものにも変えがたい、“生モノ”が存在するのです。

BOOKING

トラブルを未然に防ぐ為、スタジオスケジュールについてのお問い合わせはお電話のみに限らせて頂きます。
何卒ご了承ください。

recording

03-5794-4006

mastering

03-5794-4008

studios