レコーディング作業の流れ

ここではドラム(Dr)、ベース(Bs)、ギター(Gt)、ピアノ(Apf)、パーカッション(Per)の5rhythm(ファイブリズム)の録音をする前提で話を進めたいと思います。(レコーディング時には場合によってガイドボーカルが入ります。所謂仮歌です。歌詞作成の途中でもよいので、ガイドボーカルがいた方が楽器が弾きやすいなどという理由から入ることが好ましいとされます)
楽器は基本的にリズム系(Dr , Bass , Per, Gt , Apf)とウワモノ(Syn, タンバリン等)に分かれます。
レコーディングの進行に於いては、この分け方、順番が全てに関係してきますので覚えておきましょう。

因みに・・・・
3Rhythm(スリーリズム)・・・ドラム、ベース、ギター
4Rhythm(フォーリズム)・・・ドラム、ベース、ギター、ピアノ

 

音決め

エンジニアは楽器のセッティング位置を決め、マイクアレンジを施し、楽器ごとに音決めを行います。各楽器にマイクが1本という訳ではありません。特にドラムはオンマイク(楽器の直接音を録る)やオフマイク(楽器から離して空間音を録る)などエンジニアにより様々です。アレンジの方向性などにより、全員の演奏前にある程度のイコライジングやコンプレッサーを設定します。これらの音決めは、音楽の核(アンサンブルの中心)となるリズム系(Drums、Bass)から始めギターやピアノその他のウワモノ系といった順番で行って行く事が多いです。

Basicレコーディング

音決めが終わったらレコーディングの開始です。まずはPre-Proの音を聞き、どんな具合で演奏をするのか確認をします。確認が終わったら、演者が各ブースに入って演奏をします。

演者の袂にはキューボックスと呼ばれるモニターが置かれ、クリック(その楽曲のテンポ、ドンカマとも言われる)と他の楽器が立ち上がって(聞こえるようになって)おり、自分で演奏しやすいバランスを決め、ヘッドホンでモニターをしながら演奏します。録音、確認を繰り返しながら数テイク録音し、一番いいテイクを決めて、差し替え作業を行います。この“一番いいもの”の観点は人それぞれで、演奏にミスがないもの、グルーヴが良かったものなどです。これをディレクターが判断します

差し替え

全員で演奏した一番いいテイクを選び、楽器ごとに差し替えを行います。具体的には演奏間違え等をパンチイン、パンチアウトという作業で間違えた箇所を、演者が“例の”順番に差し替えていきます。すべてのパートが終わったらBasicの完成です。

オーバーダビング(DB)

オーバーダブ、ダビングとも言われるこの作業はBasicの録音作業が終わったら行われます。アレンジの内容によりますが、多くはギター、鍵盤、パーカッション、コーラスなどがこれに当たります。ギターはAG (アコースティックギター)やEG(エレキギター)などなど、鍵盤はBasicがピアノ(Apf)ならシンセ(Syn)やオルガン(Org)、パーカッションは振り物(タンバリン、シェイカー等)などがこれに当たります。勿論パート全ての演者が集まって“せーの”でやる方法もありますが、予算やスタジオのスペースを考えると、これが最近の生録音の手法です。楽器周りの録音が全て終了したら、これでオケの完成“オケ完”です。

Strings(ストリングス)・・・弦楽器
1stヴァイオリン、2ndヴァイオリン、ビオラ、チェロの構成をカルテットといいます。
Wカルとは、カルテットがもう1組入ることで、2組8名で演奏します。そして、「カルテットをW(ダブ)る」とは一組がもう一回録音するということです。
4422や4411という数字を並べることがよく耳にします。これは、1stが○人、2ndが○人、ビオラ○人、チェロ○人ということです。

注意:編成によってはスタジオのブースに入らない事もありますので、スタジオ側とよく確認しあっていただきたいと思います。

Brass(ブラス)・・・金管楽器
トランペット、トロンボーン、チューバ、ホルンなど金管楽器の事を指します。
(因みにサックスやフルートは、木管楽器の一種になります。これを含めてホーンセクションと呼びます)

Rough Mix

オケ完後にエンジニアは今日の成果としてラフMixの作業を行います。次の歌入れ作業の資料となります。

 

ヴォーカルダビング(Vo DB)

先日録音して完成したオケに歌入れを行います。アーティストがスタジオに入る前に、エンジニアは声の質に合ったマイク(Mic)、ヘッドアンプ(HA)、コンプレッサー(Comp)をチョイスし、アーティストが歌いやすく、且つ良いところが引き出せるように、オケのバランスを決める大事な作業を行います。これをモニターバランスと言います。そしてアーティストの入りを待ちます。(Micのチョイスが数種類に亘る場合、同じHAがある場合は同時に複数のMicを立てて歌ってもらいます)

歌入れは基本的にはディレクターが行います。企画、方向性に沿ってボーカルディレクションを行います。最近はディレクションをアレンジャーやプロデューサーが行うことも多くなりました。この場合でも企画、方向性を理解して頂いた上で依頼しましょう。ディレクションのやり方は人それぞれであります。色々な現場で色々なやり方学びましょう。
数テイク録り終わったら、ディレクターはセレクト作業を行います。場合によってはブロックごとでテイクを変えたり、一文字単位で変えたりといった細かい作業を行います。セレクトしたテイクをアシスタントエンジニアが繋ぎ、アーティストに確認を行います。
この作業を繰り返し、1本のメインの歌が出来上がります。

 

ヴォーカルエディット(Vo Edit)

メインの歌が録れたら、エディットの作業です。昨今はこれが当たり前のように行われるようになりました。全体的に直しをされる方もいらっしゃいますし、“味”とみなして気になる箇所だけ直しを行います。ただ直し過ぎは折角の声の質感や、倍音が消されたりしますので注意が必要です。基本は歌の直しを行わずして出来る方が望ましいので、しっかり練習をして頂いてから、レコーディングに望みましょう。

 

コーラスダビング(Cho DB)

メインの歌に対してコーラスを入れます。コーラスにはいくつかあり、コーラス用にミュージシャンを依頼して録音するパターン。ジハモ、ダブルといったアーティスト本人が行うパターンがあります。
ジハモはアーティストが自分でメインのメロディーに対し、3度上や3度下を自分でハモることを言い(自分でハモるのでジハモと呼ばれる)、ダブルはメインの歌と同じメロディーを歌うことを言います。

さぁすべての録音が終了しました。ここでもRough Mixの作業を行います。Mixの作業に入る前に、気になる箇所等の最終チェックが出来るからです。予算や、時間に応じて録り直しの場合もあります。

 

ミックス(Mix) = トラックダウン(TD)

沢山の楽器を2本のステレオにまとめる作業(Mix Down)を行います。

昨今のMix Downの作業には大まかに二通りあります。

卓(SSL,NEVEなど)を使用する“Consol Mix”(アナログミックスとも言う)とPro Toolsを使用する“Pro Tools Mix”です。

①Consol Mix(アナログミックス)
SSL(Solid State Logic社“エスエスエル”)やNEVE(ニーヴ)といったコンソールとアナログ機器のアウトボード(Comp、EQ、Delay、Rev)を多用します。メリットを簡単に説明すると、アナログ機器を通すことで、音の温かみや質感を大事にしたMixが出来ます。デメリットはアナログミックスなので、瞬時にリコールが利きません。Mix Checkはその日、スタジオに出向かないといけません。

②Pro Tools Mix(プロツールスミックス)
Pro Toolsを使用したコンピュータMixです。メリットはデータセーブが利くため、中断してもセーブさえしていれば再現性があります。Mixを一旦家に持ち帰り、気になるところを再度直すことが出来ます。但し、直しの作業が発生した場合に気をつけなければいけないことがあります。Pro ToolsにはPlug-inとよばれる専用のエフェクターがあります。
ハードウェアの機器をPro Tools用に開発されたものです。これを利用するにはilok(アイロック)と呼ばれるドングルをMacに挿して動作をさせます。所謂これが正規ユーザーとしてPlug-inを購入し、ドングルに動作を許可するKeyが入っています。エンジニアによって使われるPlug-inはそれぞれですが、基本直しの作業をする場合は、同じスタジオを予約することをお勧めします。エンジニアさんによってはPro toolsを持ち込まれる方もいらっしゃいます。これは使用したいPlug-inを自分で購入している、直しが出た場合でもどのスタジオでも対応して作業することができるという利点があるからです。その他Pro Toolsのデメリットは・・・価値観にもよりますが、人によっては温かみがないとか言われる方もいらっしゃいます。まぁ後は。。。音楽は生ものですから。。。その一瞬、一瞬で出来るものが良しとされることもあると思います。

※5.1ch Mix は、これは上記の2chとはまた違い、5.1chサラウンドシステムのMix作業になります。5つのモニター(5.0)+ウーハー(0.1)の組み合わせになっています。

データ保存・保管

Mix Downした、Final MixをCD-Rに焼きます。Final Mix以外に、Voの音量を上げたもの(歌上げ)などを一緒に入れることもあります。マスタリングで聞き比べをする材料になります。

今までのデータをハードディスクドライブ(HDD)などに保存します。瞬時に確認ができて大容量のデータも保存できるところが良いところです。マスターのハードディスク以外に万が一(データが破損や機器の故障等)の事を考え、必ずバックアップも録ります。Ⅰセッションに2つのHDDを用意することになります。昨今は音がデータということもあり、エンジニアが管理せざるを得ない部分が大きくなりました。データということは簡単にCOPYも出来てしまいます。音源はエンジニアではなく、原盤製作者が管理するものです。COPYなどに対しての意識を高めてください。大切なデータになりますので運搬、保管には特に気を付け漏洩や悪用を防止しましょう。

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トラブルを未然に防ぐ為、スタジオスケジュールについてのお問い合わせはお電話のみに限らせて頂きます。
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